「100人でみた日本」から考える、この10年の変化
本格的な冬を迎え、今年も残りわずかとなりました。いかがお過ごしでしょうか。
12月は、一年を振り返り、これからの暮らしや将来について考える機会が増える時期です。
家計の見直しや、老後・医療・介護といったテーマに、自然と意識が向く方も多いのではないでしょうか。
今月は、厚生労働省が公表している「100人でみた日本」と「日本の1日」について、令和7年版と10年前の平成27年度版を比べながら、介護や年金など社会保障を取り巻く状況が、この10年でどのように変わってきたのかを見てみたいと思います。
まず、社会保障制度の前提となる人口構成が大きく変わっています。
65歳以上の割合は26.0%から29.3%へ、75歳以上では12.5%から16.8%へと増加しました。10年間で高齢者人口の割合が約3.3%増加したことで、支える側と支えられる側のバランスは、確実に変化してきたといえます。
老齢年金の受給者は、100人中24.1人から27.9人へと増え、国民のおよそ3割が年金を受け取る社会になりました。
一方で、被保険者の構成にも変化が見られます。第1号被保険者(自営業・学生など)は14.2人から11.2人に減少し、第2号被保険者(会社員・公務員)は30.2人から37.7人に増加しました。
企業や公的機関に勤める人が増えたことが、数字からも読み取れます。また、第3号被保険者(専業主婦など)は7.4人から5.5人に減少し、共働き世帯が一般的になってきた様子もうかがえます。
介護の分野でも変化ははっきりしています。
介護サービスを利用している人は100人中4.0人から4.4人に増え、介護保険からの1人当たり給付費も3,994円から4,146円へと、約4%上昇しました。
中でもホームヘルパーの利用回数は、1日あたり約64万件から95万件へと約1.5倍に増え、住み慣れた自宅で介護を受けたいというニーズが高まっていることがわかります。
医療費についても同様です。
国民全体の1日あたり医療費は、1,074億円から1,279億円へと約19%増加しました。通院している人の数自体は大きく変わっていませんが、がんや糖尿病といった慢性疾患の患者の割合は増えています。
高齢化が進む中で、長い期間にわたる治療が必要な人が増えたことが、医療費増加の背景にあると考えられます。
こうした数字を見ると、日本社会では「支える側」よりも「支えられる側」が増えている現実が、よりはっきりしてきます。
年金・医療・介護といった社会保障費の増加傾向は、今後もしばらく続くと見込まれています。そのため、制度をどう維持していくか、受給と負担をどう考えるかという話し合いは、これからさらに重要になるでしょう。
一年の締めくくりとなる12月だからこそ、これからの暮らしを少し先まで見渡し、自分自身のライフプランについて考えてみる。
そんな時間を持つことが、これまで以上に大切になってきているのではないでしょうか。
<平成27年版>
100人でみた日本
日本の1日
<令和7年版>
100人でみた日本
日本の1日
