2026.10.30

「親のNISA、亡くなったらどうなる?」株式・投資信託を相続するときの手続きと注意点をわかりやすく解説

親がNISAで運用していた株式や投資信託は、家族がそのまま引き継げるのでしょうか。NISAは、親にとっては「非課税で資産を育てる制度」ですが、家族にとっては「相続で引き継ぐ財産」にもなります。

「親がNISAを始めたけれど、もしものときに何をすればよいのか分からない」「NISAの非課税は相続した後も続くの?」という方も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、相続はできますが、NISAの非課税扱いまで引き継げるわけではありません。また、引き継いだ後の持ち方にも一つの正解があるわけではなく、相続人の人数や資金の使い道、投資の経験などによって適した選択は異なります。

今回は、手続きと税金、引き継いだ後の考え方を整理し、わかりやすく解説します。

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親の株式・投資信託も相続財産になる

NISA口座で運用していても、相続税の対象になる

NISAは、一定の条件のもとで、株式や投資信託の売却益、配当金・分配金などが非課税になる制度です。ところが、この「非課税」は、亡くなった後の相続税まで免除するという意味ではありません。NISA口座にある株式や投資信託も、預貯金や不動産などと同じように相続財産になります。

例えば、親がNISAで購入した投資信託を持ったまま亡くなった場合、家族は相続手続きを通じてその財産を引き継ぎます。NISA口座だから財産の一覧から外してよい、ということにはならず、ほかの財産と合わせて相続税の申告が必要かを確認します。ただし、相続税の対象となる財産であることと、実際に相続税の納税が必要になることは別です。

出典:金融庁「NISAを知る」

出典:国税庁「No.4102 相続税がかかる場合」

預金と違い、手続き中も価格が動く

株式や投資信託は、相続手続きをしている間も価格が変わります。親が亡くなった時点では500万円相当でも、引き継ぐときには450万円、売却するときには550万円になっていることもあります。「500万円の財産を相続したのだから、必ず500万円を受け取れる」とは限らないのです。

相続財産を調べるときの金額、相続人同士で分け方を考えるときの金額、実際に売却して受け取る金額は、分けて考える必要があります。特に、納税や生活費のために売却を予定している場合には、価格が下がる可能性も踏まえて資金の準備を進めましょう。

まずは金融機関と保有商品の確認から始める

最初に確認したいのは、どの金融機関に、どのような財産があるかです。取引残高報告書、取引報告書、配当金の通知、金融機関からの郵便物などが手掛かりになります。紙の書類が見当たらなくても、オンラインで報告書を受け取っていた可能性があります。

また、同じ証券会社にNISA口座と特定口座の両方を持っていることもあります。商品名と残高だけでなく、どの口座区分で保有しているかまで確認してください。以前の金融機関に旧NISAの商品が残っている場合もあるため、最近利用していた一社だけで調査を終えないことが大切です。

株式・投資信託を相続する手続きの流れ

金融機関へ死亡の連絡をし、必要書類を確認する

口座のある金融機関が分かったら、相続手続きの窓口へ連絡します。通常、死亡の連絡を受けた金融機関は、本人名義の口座での取引を停止し、相続の状況に応じて必要書類や手順を案内します。まずは連絡を入れ、その後に書類をそろえると、取り直しや提出漏れを減らせます。

代表的な書類は、亡くなった方や相続人の戸籍関係書類、印鑑証明書、遺言書または遺産分割協議書、金融機関所定の依頼書などです。戸籍関係書類の代わりに法定相続情報一覧図の写しを利用できる場合もありますが、必要な範囲や印鑑証明書の有効期限(例:発行後6か月以内)は、金融機関、遺言の有無、手続きの方法によって異なります。

出典:SMBC日興証券「相続手続き時に必要な書類」(証券会社での一例)

相続財産の内容を確認し、誰が引き継ぐかを決める

金融機関の案内に沿って、死亡日時点の残高証明書などを取り寄せ、銘柄、数量、口座区分、口座内の現金などを確認します。書類に記載された評価額が、そのまま相続税の申告に使える金額とは限らないため、税金の計算に必要な資料も一緒に確認するとよいでしょう。

次に、遺言の有無や内容を確認し、遺産分割協議が必要な場合は相続人全員で誰が何を引き継ぐかを話し合います。「株式は長男、預金は長女」と大まかに決めるだけでなく、どの金融機関のどの商品を何株・何口引き継ぐのかまで整理しておくと、その後の手続きが進めやすくなります。

引き継ぐ人の証券口座などへ移す

株式や投資信託を売らずに引き継ぐ場合は、受け取る人の口座へ移す手続きが必要です。金融機関によっては、亡くなった方と同じ金融機関で相続人の口座を開く必要があります。すでに別の証券会社に口座を持っていても、直接そこへ移せるとは限りません。なお、NISA口座の商品を特定口座で受け取る場合は、同じ証券会社に相続人の特定口座があることが条件です(次章で解説します)。

特定口座で受け入れられるか、一般口座になるか、銀行で保有していた投資信託はどの口座で受け取るかなども確認事項です。手続き完了後は、数量や口座区分、登録された取得価額が案内どおりかを確かめ、移管に関する書類を保管してください。口座開設や書類の確認には時間がかかることもあるため、受入口座の相談は早めに進めましょう。

出典:SMBC日興証券「相続手続き時に必要な書類」

出典:日本証券業協会「NISAのよくある質問」Q73

親のID・パスワードで売却や出金をしない

「値下がりする前に売っておこう」と考えても、亡くなった親のID・パスワードを使って取引を進めることは避けてください。ログインできることと、相続人に売却や出金の権限があることは別であり、親が生前に行う取引と死亡後の相続手続きは区別する必要があります。

ほかの相続人に知らせずに売却すると、売却価格や代金の管理を巡って話し合いが難しくなることもあります。急いで換金する必要があるときこそ、金融機関に事情を伝え、どのような書類と合意が必要かを確認しましょう。

NISA口座の商品は、そのまま自分のNISAへ移せる?

亡くなった方のNISAの非課税扱いは、そのまま引き継げない

親がNISAで保有していた株式や投資信託を、相続人自身のNISA口座へ直接移すことはできません。自分のNISAの投資枠が余っていても同じであり、相続による受け入れは特定口座または一般口座などの課税口座で行います。

特定口座への移管には、親のNISA口座と受け取る特定口座が同じ証券会社にあることや、相続する同一銘柄はすべてその特定口座へ移すこと、金融機関へ「相続上場株式等移管依頼書」を提出することなどの条件があります。非課税保有期間が無期限のNISAであっても、家族が何代にもわたって非課税のまま引き継げる仕組みではありません。具体的な受入方法は、親の口座のある金融機関に確認してください。

出典:日本証券業協会「NISAのよくある質問」Q73

NISAの商品を相続した場合の「取得価額」の考え方

取得価額とは、売却したときの利益を計算するための基準となる金額です。NISA口座から相続する上場株式等は、原則として相続開始日、つまり亡くなった日の時価で相続人が取得したものとして扱います。上場株式では死亡日の終値、公募株式投資信託ではその日の基準価額などが基になります。

例えば、親がNISAで100万円で買った株式が死亡時には160万円になっており、相続後に180万円で売れたとします。手数料などを考慮しない単純な例では、相続人の売却益は180万円から160万円を引いた20万円です。親の購入時からの値上がり80万円全体が、そのまま相続人の売却益になるわけではありません。

ただし、この160万円という取得価額は、相続後の売却益を計算するための金額です。相続税を計算するための評価額とは、必ずしも一致しません。税金を考えるときは「何の計算に使う金額なのか」を確認することが大切です。

出典:国税庁「No.1464 譲渡した株式等の取得費」

出典:日本証券業協会「NISAのよくある質問」Q73、Q67(注1・注2)

死亡後に支払われる配当金や分配金にも注意する

NISA口座を開設していた方が亡くなったときは、その口座の株式等を相続する相続人は死亡を知った日以後、遅滞なく、口座のある金融機関へ「非課税口座開設者死亡届出書」を提出します。相続人同士の話し合いが終わっていなくても、死亡の連絡や届出を後回しにしないようにしましょう。

死亡日から届出書を提出するまでの間に、NISA口座で非課税として支払われた配当金等がある場合には、さかのぼって課税されます。「連絡するまではNISAの非課税が続く」ということではありません。配当金や分配金の通知を保管し、金融機関へ税金の精算方法を確認してください。

出典:日本証券業協会「NISAのよくある質問」Q65

相続税と、売却したときの税金は分けて考える

相続税は「引き継ぐ財産」に対する税金

相続税の申告が必要かどうかは、NISAの残高だけで判断するものではありません。預貯金、不動産、株式・投資信託などを確認し、債務や葬式費用、一定の生前贈与なども考慮して、正味の遺産額を計算します。

相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。例えば法定相続人が配偶者と子ども2人の計3人なら、基礎控除額は4,800万円になります。正味の遺産額が基礎控除額の範囲内なら、原則として相続税の申告・納税は不要です。ただし、小規模宅地等の特例を使う前の金額で基礎控除額を超える場合や、配偶者の税額軽減を受ける場合は、特例によって納税額がゼロになっても申告が必要です。

申告・納税の期限は、通常、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。証券口座の相続手続きと並行して確認し、遺産分割が終わらないまま期限が近づく場合も、早めに税理士などへ相談しましょう。

出典:国税庁「No.4102 相続税がかかる場合」

出典:国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」

出典:国税庁「No.4158 配偶者の税額の軽減」

相続税の評価額は、単純に売却代金で決まるわけではない

上場株式は、原則として、死亡日の終値、その月の終値の月平均額、前月の月平均額、前々月の月平均額のうち、最も低い価額を基に相続税の評価額を計算します。死亡日に取引がない場合や権利落ちがある場合などには、一定の調整が必要です。

例えば、死亡日の終値に基づく金額が160万円でも、月平均額に基づく金額が150万円、140万円、130万円なら、原則として130万円が相続税評価の基になります。一方、NISAから相続した株式の売却益を計算する取得価額は、原則として死亡日の時価に基づく160万円です。同じ株式でも、計算の目的が違えば使う金額も変わります。

出典:国税庁「No.4632 上場株式の評価」

投資信託は、一般に、死亡日に解約や買取りを請求した場合に受け取れる価額を基に評価しますが、商品の種類や費用などによって計算が異なります。ETFなど上場している投資信託は上場株式に準じて評価するため、すべての投資信託に同じ計算を当てはめないようにしましょう。

出典:国税庁「No.4644 貸付信託・証券投資信託の評価」

売却時は「いくらで取得したものとして扱うか」が重要

課税口座で保有していた株式等を相続する場合は、原則として、亡くなった方の取得費を引き継ぎます。NISA口座からの相続とは基準が異なるため、親が同じ銘柄をNISAと特定口座の両方で持っていた場合も、口座区分ごとに確認する必要があります。

相続前の口座区分ごとに、相続後に売却するときの取得費の原則を整理すると次のとおりです。

  • NISA口座:死亡日(相続開始日)の時価に基づく金額
  • 特定口座・一般口座:亡くなった方の取得費を引き継ぐ

例えば、課税口座で100万円で購入した株式を、死亡時160万円、売却時180万円であったとして相続・売却した場合、手数料などを考慮しなければ売却益は80万円です。NISAから相続した例の20万円とは異なります。「相続のときに160万円の価値があったから、それ以前の値上がりは関係ない」と考えると、税額の見込みが変わってしまいます。

出典:国税庁「No.1464 譲渡した株式等の取得費」

売却時に使える特例がある場合もある

相続税を負担した人が、相続した株式等を一定期間内に売却した場合には、相続税のうち一定の金額を取得費に加え、売却益を小さくできる「取得費加算の特例」を使えることがあります。相続税の全額を自由に差し引ける制度ではなく、売却した財産に対応する金額などを計算します。

売却期限は、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までで、通常のケースでは相続開始からおおむね3年10か月以内です。適用には要件があり、確定申告も必要ですので、売却前に相続税の申告書などを用意して税理士へ相談するとよいでしょう。なお、この特例は譲渡所得に適用されるもので、株式等の売却が事業所得や雑所得にあたる場合は使えません。

出典:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」

複数の相続人がいるとき、株式や投資信託をどう分ける?

商品や数量を分けて引き継ぐ方法

株式や投資信託を売却せず、銘柄や数量を分けて引き継ぐ方法があります。例えば、ある投資信託を子ども2人で半分ずつ受け取り、その後はそれぞれが保有・売却を判断する形です。ただし、実際に分けられる単位や移管方法は金融機関に確認します。

異なる商品を分ける場合は、金額が同じでもリスクまで同じとは限りません。国内の一社に投資する株式と、世界中に分散投資する投資信託とでは値動きが異なるため、「今の金額が同じだから公平」と決めつけず、受け取る人の商品への理解や希望も踏まえて話し合うことが大切です。

売却して、現金で分ける方法

株式や投資信託を売却し、その代金を相続人で分ける方法を「換価分割」といいます。現金なら分けやすく、投資商品を持ち続けたくない人にも分かりやすい方法ですが、売却までの価格変動や、手数料・税金によって、手元に残る金額は変わります。

誰の口座へ移して売却するか、売却する時期や方法を誰が決めるか、税金や費用を引いた後の金額をどう分けるかまで、事前に決めておきましょう。代表者一人の口座で売却する場合も、遺産分割協議書の記載や申告方法を含めて、金融機関や税理士などに確認しておくと安心です。

1人が引き継ぎ、ほかの相続人に別の財産を渡す方法

投資を続けたい人が株式を引き継ぎ、ほかの人は預貯金を多めに受け取るなど、遺産全体で調整する方法もあります。一つひとつの商品を全員で均等に分ける必要はなく、家族の希望に合わせて組み合わせることができます。

また、一人が株式などを取得し、その代わりに自分の資金からほかの相続人へお金を支払う「代償分割」という方法もあります。ただし、支払う資金がなければ実行できません。株式を残したい気持ちだけで決めず、代償金の金額や支払時期まで無理のない内容にしましょう。

「いつの価格で考えるか」も話し合っておく

遺産分割で合意する金額は、相続税の評価額と必ず同じにしなければならないわけではありません。話し合いの日や実際に分ける日に近い時価を参考にするなど、どの時点の価格で調整するかを共有しておくことが大切です。

「半分ずつ」の意味も、数量を半分にするのか、売却後の手取り額を半分にするのかで変わります。あとから値上がり・値下がりしても納得できるよう、価格の基準日、費用の負担、売却までの手順を具体的に決め、合意内容を記録しておきましょう。

相続した株式・投資信託は、持ち続ける?売却する?

まずは、どのような商品かを理解する

相続手続きが終わっても、すぐに売却する必要があるとは限りません。まずは、何に投資する商品なのか、どのくらい値動きがあるのか、保有中の費用や売却時の条件はどうかを確認します。海外資産に投資する商品では、為替の影響を受けることもあります。

親が長く持っていた商品でも、自分に合っているとは限りません。商品名だけでは判断できないときは、目論見書や運用報告書を確認し、金融機関から説明を受けましょう。理解できないまま保有を続けることも、内容を確かめずに急いで売却することも避けたいところです。

使う予定と、家計全体のバランスから考える

保有を続けるかどうかは、そのお金をいつ、何に使うかによって変わります。相続税の納税、住宅費、教育費、生活予備資金など、近いうちに必要な金額は先に整理し、値下がりしても生活に支障がないかを考えてください。

例えば、数年以内に使う予定があるのに、相続した財産の大部分が株式のままでは、必要な時期と価格の回復時期が合わない可能性があります。反対に、当面使わない資金で、商品のリスクを理解しているなら、保有を続ける選択もあります。自分の預貯金やすでに持っている投資商品も含めて、家計全体で判断しましょう。

「思い出があるから」「値下がりしたから」だけで決めない

親が大切にしていた株式には、金額では表せない思い出があるかもしれません。その気持ちを大切にしながらも、相続した後の管理は、自分の暮らしや資金の使い方に合うかどうかで考える必要があります。

すべて売るか、すべて残すかの二択にする必要はありません。必要な分だけ現金にする、一部を残して様子を見るなどの方法もあります。ただし、分けて売れば必ず有利になるわけではありません。「買った値段に戻るまで待つ」といった気持ちだけで決めず、今後もそのリスクを負えるかを判断しましょう。

親が元気なうちに共有しておきたいこと

金融機関・商品・連絡先を一覧にする

相続で困りやすいのは、財産があると分かっていても、どこへ問い合わせればよいか分からないことです。金融機関名、支店名、口座の種類、主な保有商品、書類の保管場所を一覧にしておくだけでも、家族の負担を減らせます。

この一覧に、ログインパスワードまで書いて渡す必要はありません。財産の所在を知らせることと、本人になり代わって取引できる状態にすることは別です。一覧の保管場所を家族に伝え、口座の開設・解約や金融機関の変更があったら更新しておきましょう。

何のために運用し、誰に残したいのかを話しておく

同じ投資信託でも、親の生活費のために運用しているのか、介護に備える資金なのか、家族に残したい資金なのかで考え方は変わります。残高だけでなく、運用を始めた目的や今後の希望を共有しておくと、家族も資産の持ち方を考えやすくなります。

特定の人に引き継いでほしい財産がある場合は、口頭で伝えるだけで十分か、遺言を用意した方がよいかも検討しましょう。ただし、まず優先したいのは親自身の生活です。家族に残すことを重視しすぎて、必要な生活費や医療・介護の費用まで我慢することのないように話し合いたいところです。

管理が難しくなる前に、資産の持ち方を見直す

口座や商品が増えるほど、本人にも家族にも全体を把握する負担がかかります。使っていない口座や内容を説明しにくい商品が増えていないかを確認し、必要に応じて整理を考えることも、相続への備えになります。

判断能力が低下した後は、本人の意思確認が難しくなり、希望していた売却や口座整理を進めにくくなる場合があります。家族だから自由に手続きできるわけではないため、親が理解し判断できるうちに、金融機関の代理人に関する制度や将来の管理方法について相談しておくとよいでしょう。

株式・投資信託の相続についてのよくある質問

自分は投資未経験ですが、株式や投資信託を相続できますか?

投資経験がないことだけを理由に、相続できなくなるわけではありません。ただし、現物で受け取るには受入口座の準備などが必要です。商品内容が分からない場合は金融機関に説明を求め、相続する手続きと、その後に投資を続ける判断を分けて考えましょう。

相続するときに、必ず売却しなければなりませんか?

必ず売却するという一律の決まりはなく、相続人の口座へ移して保有を続けられる場合があります。ただし、商品や金融機関の取扱いによって異なるため、現物で引き継げるかを確認してください。NISAからの相続では、非課税扱いは引き継げない点にも注意が必要です。

相続後に値下がりしたら、相続税も安くなりますか?

原則として、相続後に価格が下がったという理由だけでは、相続税の評価額は下がりません。相続税は死亡日時点を基準とする所定の評価方法で計算し、後日の売却価格で計算し直すわけではないためです。売却益にかかる税金とは分けて考えてください。

出典:国税庁「No.4632 上場株式の評価」

出典:国税庁「No.4644 貸付信託・証券投資信託の評価」

親がいくらで買ったか分からない場合は、どうすればよいですか?

まずは金融機関の記録や取引報告書などで確認します。課税口座から相続した株式等で取得費が分からない場合には、売却代金の5%相当額を取得費とする取扱いもありますが、実際の取得費より低くなり、税負担が大きくなる可能性があります。安易に5%で済ませず、調べられる資料を確認しましょう。

一方、NISA口座から相続した商品では、原則として死亡日の時価が取得価額の基準です。親の購入金額が分からないからといって、直ちに同じ5%の扱いにするのではなく、相続前の口座区分と移管時の記録を金融機関に確認してください。

出典:国税庁「No.1464 譲渡した株式等の取得費」

まとめ|運用している資産は、引き継ぎ方まで考えておく

NISAで運用している株式や投資信託も、家族へ引き継ぐことのできる財産です。ただし、相続人のNISAへ直接移すことはできず、相続税の評価額と、後から売却するときの取得費にも違いがあります。まずは金融機関へ連絡し、財産の内容と必要な手続きを確認することから始めましょう。

引き継いだ後は、親が選んだ商品をそのまま持ち続けることだけが正解ではありません。自分の生活や資金の使い道に合わせて考えることが大切です。親が元気なうちに財産の所在と運用の目的を話しておくことが、残された家族の迷いや負担を減らす備えになります。相続税や売却時の税金の判断は、税理士などの専門家にも確認しながら進めましょう。

ハレノヒハレは「未来すべて、ハレになれ。」をコンセプトに、お客様の未来を「ハレ」にするために、個人、法人の皆さまの各種ご相談をお受けしています。親御さまの資産の引き継ぎやご家族の資産形成について検討したいという方はどうぞお気軽にハレノヒハレまでご相談ください。(ご相談したいことがございましたら「お問い合わせ」フォームからご入力をお願いいたします)