2026.03.20

「貯金」「預金」「貯蓄」の違いは?資産形成の方法をプロがわかりやすく解説

「貯金」「預金」「貯蓄」の違いは?資産形成の方法をプロがわかりやすく解説

貯金と預金、貯蓄は、日常的には同じ意味で使用されることもあるでしょう。しかし、厳密にはこれらはそれぞれ異なるものです。

では、貯金と預金、貯蓄には、どのような違いがあるのでしょうか?また、貯蓄による資産形成の方法には、具体的にどのような選択肢があるのでしょうか?今回は、貯金と預金、貯蓄の違いや貯蓄の主な方法、貯蓄で資産形成をするポイントなどについて、お金のプロがくわしく解説します。

ハレノヒハレは「未来すべて、ハレになれ。」をコンセプトに、お客様の理想の未来を叶えるための資産形成や保険の見直しなどのサポートをしています。ご自分に合った貯蓄方法についてプロからアドバイスを受けたいとご希望の際などには、ハレノヒハレまでお気軽にご相談ください(ご相談したいことがございましたら「お問い合わせ」フォームからご入力をお願いいたします)。

「貯金」「預金」「貯蓄」の違い

はじめに、貯金と預金、貯蓄についてそれぞれ概要と違いを解説します。

貯金とは

貯金とは、ゆうちょ銀行やJAバンク(農業協同組合)、JFマリンバンク(漁業協同組合)などにお金を預けることを指す呼び方です。

いつでも自由に入出金ができる「通常(普通)貯金」のほか、満期日までは原則として引き出せない代わりに通常(普通)貯金よりは金利の高い「定期(定額)貯金」などがあります。

預金とは

預金とは、ゆうちょ銀行以外の銀行や信用金庫などにお金を預けることです。

貯金と同じく、入出金が自由にできる「普通預金」のほか、満期日までは原則として引き出せない金利が高めの「定期預金」などがあります。

なお、制度ができた明治初期頃には、「商人や企業向けは預金、いわゆる庶民向けは貯金」と区別がされていたようです。一方で、現在では実務上の機能に大きな違いはなく、預け先の制度上の呼び方の違いに近いといえます。また、貯金と預金を合わせて「預貯金」と言います。

貯蓄とは

貯蓄とは、「蓄える」という文字が入っているように、総合的な資産形成を指します。

貯金や預金も、貯蓄の手段の1つです。ほかに、たとえば上場株式・投資信託への投資や金(ゴールド)の購入、貯蓄型保険への加入、さらに広く見れば不動産投資なども「貯蓄」に含まれます。「貯金や預金は銀行などにお金を預けること、貯蓄は総合的な資産形成」であると整理できるでしょう。

貯蓄の主な方法については、次で改めて解説します。

貯蓄の主な方法

貯蓄には、具体的にどのような方法があるのでしょうか?ここでは、貯蓄の主な方法を解説します。

  • 預貯金
  • 株式・投資信託などの金融資産投資
  • 金投資
  • 不動産投資
  • 貯蓄型保険への加入

預貯金

預貯金は、貯蓄の代表的な方法です。預貯金は元本の変動が基本的にない資産ですが、万一金融機関が破綻した場合でも預金保険制度などにより一定額まで保護されます(制度や金融機関の種類により取扱いが異なります)。そのため、一定の資産は預貯金として保有すべきでしょう。

ただし、預貯金の利率は低いため資産を増やすことは困難です。また、インフレリスクへの不安は残るでしょう。インフレリスクについては、後ほど改めて解説します。

株式・投資信託などの金融資産投資

貯蓄の方法としては、株式や投資信託など金融資産投資が挙げられます。いずれも、証券会社に口座を開設したうえで購入することが一般的です。

長期的には企業の利益や物価の上昇に伴い、株式や投資信託の価格が上昇する傾向があるとされています。ただし、特に株式は値動きが大きくなる可能性があるため、1社の株式に資金をつぎ込むのではなく、分散投資をする必要があるでしょう。

なお、株式や投資信託への投資では、NISA制度の活用がおすすめです。NISAについては、後ほど改めて解説します。

金投資

金(ゴールド)への投資も、貯蓄方法の1つです。

金は地金(インゴット)や金貨など現物で所有することもできるほか、金に連動した値動きをする投資信託を購入する方法などもあります。金は経済不安や地政学リスクが高まる局面では価格が上昇する傾向があるとされ、「有事の金」と呼ばれることがあります。他の資産と組み合わせての保有も検討するとよいでしょう。

不動産投資

不動産投資も、広く見れば貯蓄の1つであるといえます。

不動産投資は、建物や土地などの不動産を保有し、これを賃貸することで賃料収入を得る投資手法です。物価が上がれば賃料なども値上げしやすいため、インフレリスクへの備えともなるでしょう。

ただし、不動産投資には空室リスクや修繕リスクなど特有のリスクがあります。この方法で資産形成をするには積極的な情報収集が不可欠です。また、他の投資手法とは異なり、借り入れを伴うことが多い点も大きな特徴であるといえます。

貯蓄型保険への加入

貯蓄の方法としては、貯蓄型保険への加入も選択肢に入ります。

貯蓄型保険とは、保障と貯蓄を兼ね備えた保険商品です。貯蓄型保険の代表格としては、次の3つが挙げられます。

  • 終身保険
  • 個人年金保険
  • 学資保険

終身保険

生命保険とは、その保険の対象者(「被保険者」といいます)が死亡したり高度障害状態になったりした際に保険金が支払われる保険です。そのうち、保障が一生涯続くものを、「終身保険」といいます。

終身保険では被保険者が亡くなった際などに保険金が支払われる一方で、途中で解約をして解約返戻金を受け取ることも可能です。そのため、たとえば「若いうちの死亡に備えつつ、一定の年齢まで長生きをしたら解約をして生活資金に充てる」などの使い方もできます。この点で、貯蓄としての性質も有しているといえるでしょう。

ただし、解約返戻金の設定は保険商品によって異なり、支払った保険料の総額よりも解約返戻金が高くなるものもある一方で、解約返戻金の額が支払った保険料の総額より低い商品もあります。実際に加入を検討する際は、自分の希望に合った保険商品を慎重に選択しましょう。

個人年金保険

個人年金保険とは、公的年金だけでは不足する将来の資金を自分で用意できる保険です。払い込んだ保険料を原資として運用し、契約で定めた一定の年齢(65歳や70歳など)に達した時点から、契約で定めた年金が受け取れます。

学資保険

学資保険とは、子どもの教育資金の準備に特化した貯蓄型の生命保険です。子どもが幼いうちから掛け金を支払い、「子どもが18歳になる月」など事前に契約で定めた満期時に満期保険金が支払われます。

学資保険は、保険料払込期間の途中で契約者(親など)が亡くなった場合に、以後の保険料の支払いが免除されることが一般的です。保険料の支払いが免除されても契約で定めた満期保険金などは当初の契約通りに支払われるため、「親が亡くなるなど万が一のことがあっても、子どもの教育資金は残しておきたい」というニーズに適しています。

貯金だけではなく「貯蓄」を進める主なメリット

貯金だけではなく「貯蓄」を進めることには、大きなメリットがあります。ここでは、貯蓄の主なメリットを2つ解説します。

  • インフレリスクに備えやすい
  • リスクを分散できる

インフレリスクに備えやすい

預金や貯金だけでは、「インフレリスク」に備えることは困難です。インフレリスクとは、物価が継続的に上昇することにより相対的に資産価値が低下するリスクです。

たとえば、現在の物価から算定して「60歳までに2,000万円を貯めよう」と考えて貯金をしても、実際に60歳になった時にはインフレにより物価が2倍になっていれば、思い描いた生活を送るのは難しいでしょう。このようなインフレリスクへは、預貯金だけでは十分な対応ができません。

貯金だけではなく、投資信託の積立購入や金投資などの貯蓄も並行することで、インフレリスクに備えやすくなります。物価上昇局面では、株式や金などの資産価格が上昇する傾向が見られることもあるためです。

リスクを分散できる

貯金や預金は(金融機関が破綻しない限り)元本割れをしない「安定資産」です。しかし、元本割れをしないからといって、リスクがないわけではありません。

先ほど解説したように、預貯金だけでインフレリスクに対応することは困難です。また、仮に世界の中で日本経済が相対的に悪化すれば、「円」で買える物やサービスが少なくなるおそれが生じます。

貯蓄をして資産を分散させることでリスクの分散も可能となり、将来生じ得るさまざまなリスクに柔軟に対応しやすくなります。

貯蓄により資産形成をするポイント

貯蓄による資産形成には、いくつかのポイントがあります。ここでは、貯蓄による資産形成の主なポイントを3つ解説します。

  • 制度をうまく活用する
  • 「先取り貯蓄」をする
  • プロに相談する

制度をうまく活用する

1つ目は、制度をうまく活用することです。

貯蓄をする際にネックとなるのが、税金でしょう。通常、株式や投資信託を売却したり配当金などを受領したりすれば、利益に対して20.315%の税金がかかります。また、社会保険料は所得控除の対象になりますが、一般に貯蓄や投資そのものは所得控除の対象になりにくいものです。ただし、制度によっては税制優遇を受けられる場合があります。

貯蓄に活用できる主な制度である「NISA」と「iDeCo」について、それぞれ概要を解説します。

  • NISA
  • iDeCo

NISA

NISA(少額投資非課税制度)とは、所定のNISA口座内で運用することで、株式や投資信託の運用益(売却益・配当金・分配金)にかかる通常20.315%の税金が非課税となる制度です。運用益から税金が差し引かれないため運用益の全額を他の貯蓄に回すことが可能となり、より効率的な資産形成が実現できます。

なお、NISAには「成長投資枠」と「つみたて投資枠」があります。成長投資枠とは、上場株式や投資信託などが広く対象となる枠です。一方で、つみたて投資枠とは長期の積立・分散投資に適するとして金融庁の基準を満たした投資信託を、事前の設定に応じて毎月など定期的に購入できる投資枠です。

成長投資枠とつみたて投資枠は併用できるものの、これから貯蓄を始めようとする際は、まずNISA口座を開設してつみたて投資枠の活用からはじめてみるとよいでしょう。

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、公的年金に上乗せして将来受け取れる年金を、自分で積み立てていく制度です。自分が拠出した掛金を自分で運用して資産を形成し、原則として60歳以降に老齢給付金として受け取ります。

iDeCoの掛金上限額は勤務先に企業型確定拠出年金があるか否かなどによって異なるものの、会社員のほか、自営業者や専業主婦(主夫)なども加入できます。また、掛金は所得控除の対象となるなど、税制上も優遇されています。老後に生活費を増やしたいとお考えの際は、iDeCoへの加入を検討するとよいでしょう。

「先取り貯蓄」をする

2つ目は、「先取り貯蓄」をすることです。先取り貯蓄とは、お金を使って残った額を貯蓄しようとするのではなく、収入が入った時点で貯蓄したい額を別口座に移す手法です。

しかし、せっかく先取り貯蓄をしても移動先が普通預貯金口座であれば、生活費への流用が常態化するかもしれません。そのため、移動先は定期預貯金口座やNISA口座、iDeCoの掛金、学資保険の掛金、個人年金保険の掛金など、流用にハードルのある方法を選択するとよいでしょう。

ただし、先取り貯蓄の額が多すぎて現在の生活がままならなくなれば本末転倒です。そのため、先取り貯蓄をする際は、無理のない額を設定しましょう。

プロに相談する

3つ目は、プロに相談することです。お金のプロに相談することで、ご自分にとって必要な貯蓄額やご自分に合った貯蓄方法が把握しやすくなります。これにより、より的確な貯蓄を実現しやすくなるでしょう。

ハレノヒハレは「未来すべて、ハレになれ。」をコンセプトに、お客様の資産形成や家計の見直し、保険見直しなどのサポートをしています。ご自分に必要な貯蓄額やご自分に合った貯蓄方法を知りたい際などには、ハレノヒハレまでお気軽にご相談ください(ご相談したいことがございましたら「お問い合わせ」フォームからご入力をお願いいたします)。

【目的別】ニーズに合った貯蓄方法

貯蓄は、具体的にどのような方法で行えばよいのでしょうか?ここでは、目的別におすすめする貯蓄の方法の例を紹介します。

  • 老後の生活費を増やしたい場合
  • インフレリスクに備えつつ資産を形成したい場合
  • いわゆる不労所得で生活したい場合
  • 子どもの学費を貯めたい場合
  • 万が一自分が亡くなっても家族が困らないように備えたい場合

なお、ここで紹介するのはあくまでも一例であり、適する貯蓄の方法は収入の状況や資産の状況、考え方などによって変動します。そのため、貯蓄を始めようとする際は、プロにも相談したうえでご自分に合った方法を検討するとよいでしょう。

老後の生活費を増やしたい場合

老後の生活費を増やしたい場合には、iDeCoへの加入が向いています。また、iDeCoに加入をしてもなお資金に余裕がある場合には、個人年金保険への加入も検討するとよいでしょう。

インフレリスクに備えつつ資産を形成したい場合

インフレリスクに備えつつも資産形成をしたい場合には、NISAを活用した金融資産投資が向いています。資産形成をしたい場合、つみたて投資枠から優先的に活用するとよいでしょう。

いわゆる不労所得で生活したい場合

いわゆる不労所得で生活したい場合には、不動産投資をして賃料収入を得たり、株式投資をして配当金を得たりすることなどを検討するとよいでしょう。

ただし、不動産投資には空室リスクや修繕リスク、価格変動リスクなどがあるため、この方法で資産形成をするには積極的な情報収集が不可欠です。また、他の投資手法とは異なり、借り入れを伴うことが多い点も大きな特徴であるといえます。また、いわゆる不労所得だけで生活できるレベルにまで資産を積み上げることは、容易なことではありません。

子どもの学費を貯めたい場合

お子様の学費を貯めたい場合には、学資保険の活用が向いています。ただし、学資保険だけでは一般的にインフレリスクへの対応が困難であるため、必要に応じてNISA口座での投資信託の積立購入なども併用するとよいでしょう。

万が一自分が亡くなっても家族が困らないように備えたい場合

万が一ご自分が亡くなった際に家族が困らないように備えたいとお考えの際は、生命保険への加入が向いています。特に、お子様が未成年のうちなど一定期間中の死亡に手厚い保障を準備したい場合には、掛け捨て型の定期保険への加入が有力な選択肢となります。

掛け捨て型の生命保険は、所定の期間中に保険事故(被保険者の死亡など)が起きなければ保険料は戻ってこないため、純粋な貯蓄とは言えません。しかし、月々の保険料が同じである場合、被保険者が亡くなった際に支払われる死亡保険金額は貯蓄性のある終身保険よりも掛け捨て型の定期保険の方が高額になることが一般的です。

貯蓄による資産形成の注意点

貯蓄で資産形成をしようとする場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?ここでは、主な注意点を3つ解説します。

  • 商品ごとに異なるリスクがあることを知っておく
  • 分散投資をする
  • 目的に合った貯蓄方法を選定する

商品ごとに異なるリスクがあることを知っておく

貯蓄の対象となる商品には、それぞれに異なるリスクがあります。それぞれのリスクを正しく理解したうえで、自分に合った貯蓄方法を選定しましょう。

なお、金融の世界において「リスク」とは「振れ幅」を指し、「リターンが大きい一方で、資産が目減りする可能性は低い」ような金融商品は存在しません。大きなリターンが見込まれるのであれば、資産が目減りする可能性もこれと同等にあるということです。

分散投資をする

貯蓄において、分散投資は基本中の基本です。「卵を1つのかごに盛るな」という格言があるように、1つの金融商品に資金を集中させることはお勧めできません。

資産を1つの金融商品や似た値動きをする金融商品に集中させてしまうと、その価値が暴落した際に資産の大半を失うこととなりかねないからです。そのため、貯蓄をする際は分散投資を心がけましょう。

目的に合った貯蓄方法を選定する

貯蓄による資産形成をしようとする際は、目的に合った貯蓄方法を選定しましょう。

先ほど紹介したように、資産形成の目的によって最適な貯蓄方法は変動します。たとえば、インフレリスクに備えたいのであれば、預貯金だけでは不十分でしょう。

それぞれの貯蓄方法の特性を理解したうえで目的に合った方法を選定するのが、資産形成を成功させるポイントであると言えます。

貯金や貯蓄に関するよくある質問

最後に、貯金や貯蓄に関するよくある質問とその回答を紹介します。

収入が少ない場合に貯蓄を成功させる方法は?

収入が少ない場合に貯蓄を成功させるには、「先取り貯蓄」がお勧めです。

特に収入が少ない場合、「生活費などで使って、残りの額を貯蓄に回す」方法で貯蓄を成功させるのは容易ではありません。貯蓄したい額を先に別の口座に移し、残りの額で生活する習慣をつけることで、貯蓄を成功させやすくなります。

資産形成に貯金だけでは不十分?

資産形成をしたい場合、「貯金」だけでは十分とは言えません。なぜなら、貯金だけではインフレリスクへの対応が難しいためです。

そのため、資産形成をするのであれば、貯金と投資信託の積立購入などをバランスよく併用するとよいでしょう。

まとめ

貯金と預金、貯蓄の違いや貯蓄の具体的な方法、貯蓄により資産形成をするポイントなどを解説しました。

貯金・預金とは、金融機関にお金を預けることです。一般に、銀行や信用金庫などに預けるものを「預金」、ゆうちょ銀行やJAバンクなどに預けるものを「貯金」と呼びます。

預貯金は安定資産であり、原則として元本割れすることはありません。その反面、インフレリスクに預貯金だけで対応するのは困難です。

一方で、貯蓄は預貯金を含む総合的な資産形成を指します。株式や投資信託など複数の商品を組み合わせて貯蓄による資産形成をすることでインフレリスクに対応しやすくなるほか、リスクの分散も可能となります。貯蓄をしようとする際はそれぞれの商品の特性を理解したうえで、ご自分の目的に合った方法を選択するとよいでしょう。

ハレノヒハレは「未来すべて、ハレになれ。」をコンセプトに、お客様の理想の未来を叶えるための資産形成や家計の見直しなどのサポートをしています。ご自分に合った貯蓄方法についてプロによるアドバイスをご希望の際などには、ハレノヒハレまでお気軽にご相談ください(ご相談したいことがございましたら「お問い合わせ」フォームからご入力をお願いいたします)。