2026.02.24

個人年金保険は「入るべき」か?個人年金の概要とメリット・留意点をわかりやすく解説

「個人年金保険はお勧めしない」などといわれることがあります。しかし、個人年金保険への加入が向いているか否かは状況によって異なっており、一概にお伝えできるものではありません。

では、個人年金保険にはどのようなメリットがあるのでしょうか?また、個人年金保険への加入が向いているのは、どのような人なのでしょうか?今回は、個人年金保険の概要や個人年金保険の種類を紹介するとともに、個人年金保険の主なメリットや留意点、個人年金保険が向いている人・向かない人などについてくわしく解説します。

なお、ハレノヒハレは「未来すべて、ハレになれ。」を信念として、ファイナンシャルプランナーがライフスタイルに合わせてアドバイスいたします。個人年金保険についてお悩みの際は、ハレノヒハレまでお気軽にご相談ください(ご相談したいことがございましたらお問い合わせフォームからご入力をお願いいたします)。

個人年金保険とは?

個人年金保険とは、事前に払い込んだ保険料を原資として運用し、あらかじめ契約で定めた年齢になった時点から、契約で定めた年金が定期的に受け取れる私的年金です。

個人年金保険に加入する目的はさまざまであるものの、公的年金だけでは老後の生活に不安がある場合に、これを補完するものとして加入することが多いです。

【受取期間別】個人年金保険の主な種類

個人年金保険は、その受取期間等によって、主に次の4つに分類できます。

  • 確定年金
  • 有期年金
  • 終身年金
  • 夫婦年金

それぞれの概要を知ったうえで、ご自分のニーズに合った個人年金保険を選択すると良いでしょう。ここでは、それぞれの概要を解説します。

確定年金

確定年金とは、あらかじめ契約で定めた一定の期間中だけ年金を受け取れる個人年金保険です。年金を受け取る期間は5年または10年、15年程度であるものが多く、年金の受取開始年齢は55歳・60歳・65歳・70歳・75歳など保険会社所定の年齢から選択することが一般的です。

確定年金の場合、年金の受け取り期間中に亡くなった場合には、受け取れなかった分の年金を遺族が年金または一時金で受け取れるものがほとんどです。たとえば、「65歳から10年間」に渡って個人年金を受け取れるはずであったその保険の対象者(「被保険者」といいます)が年金を5年間だけ受け取って70歳で亡くなった場合、受け取れなかった残りの5年分の年金は被保険者の配偶者などの遺族が受け取れるということです。

その一方で、確定年金にはいわゆる「長生きリスク」があることに注意しなければなりません。たとえば、「65歳から10年間」に渡って年金を受け取る個人年金保険に加入していた場合、75歳以降に生存していても個人年金が受け取れなくなるため、これをふまえて生活費を検討する必要が生じます。

有期年金

有期年金とは、あらかじめ契約で定めた一定の期間中、被保険者が生存している間だけ年金が受け取れる個人年金保険です。確定年金と同じく、年金を受け取る期間は5年または10年、15年程度であるものが多く、年金の受取開始年齢は55歳・60歳・65歳・70歳・75歳など保険会社所定の年齢から選択することが一般的です。

有期年金と確定年金の最大の違いは、「受取期間の途中で被保険者が亡くなった場合に、受け取れなかった期間相当分の年金を遺族が受け取れるか否か」にあります。

有期年金では、被保険者が受取期間の途中で亡くなっても、遺族は年金を受け取れないことが一般的です。ただし、年金の満額ではないものの、既払込保険料相当額からすでに支払われた年金を差し引いた金額などの一定額が遺族に支払われるものもあります。

また、有期年金の中には「保証期間付き」のものもあります。保証期間付きの場合には、所定の保証期間中に亡くなった場合だけ、確定年金のように受け取れなかった保証期間中の年金の残額が遺族に支払われます。

有期年金も確定年金の場合と同じく、「長生きリスク」があることに注意が必要です。

終身年金

終身年金とは、年金受取開始時期以後、被保険者が生存している限り年金が受け取れる個人年金保険です。生涯にわたって年金が受け取れるため、「長生きリスク」に備えられます。その反面、1年あたりの年金額が同じであれば、確定年金などと比較して保険料が高くなることが一般的です。

終身年金は被保険者が亡くなった時点で年金の支給は終了し、たとえ年金受取開始時期の後間もなく被保険者が亡くなったとしても、遺族が保障を引き継ぐことはできません。

ただし、有期年金と同じく、終身年金の中にも「保証期間付き」のものがあります。保証期間付きの場合には、所定の保証期間中に亡くなった場合だけ、保証期間中における年金の残額が遺族に支払われます。

夫婦年金

夫婦年金とは、年金受取開始時期以後、被保険者とその配偶者のいずれかが生存している限り年金が受け取れる個人年金保険です。

夫婦のどちらかが生存している限り生涯にわたって年金が受け取れるため、被保険者が長生きするリスクのほか、残された配偶者が長生きするリスクに備えられます。

保障が手厚い反面、1年あたりの年金額が同じであれば、終身年金よりも保険料が高くなることが一般的です。また、ご夫婦どちらかが亡くなった後、年金額が一定割合減額されるタイプなど、設計は商品により異なります。

【運用方法別】個人年金保険の主な種類

個人年金保険は、運用方法によっても次の2つに分類できます。

  • 定額型
  • 変額型

ここでは、それぞれの概要を解説します。ご自分に合った個人年金保険が分からない場合は、ハレノヒハレまでお気軽にご相談ください(ご相談したいことがございましたら「お問い合わせ」フォームからご入力をお願いいたします)。

定額型

定額型とは、将来受け取れる年金額が固定される個人年金保険です。事前に定められた予定利率で運用されるため、基本の年金額は契約時に確定します。

将来受け取れる年金額が確定されるため安心感がある一方で、インフレリスクに対応しづらいことに注意が必要です。インフレリスクとは、物価が上昇することによって相対的に資産の価値が低下するリスクです。

たとえば、現在は1ヶ月あたり20万円で生活ができているとしても、インフレにより物価が2倍になれば、1ヶ月あたり20万円では想定した生活が送れないかもしれません。

変額型

変額型とは、運用成績によって将来受け取れる年金額が変動する個人年金保険です。同じ保険料を支払った場合、運用成績がよければ、変額型の方が受け取れる年金額は多くなります。

インフレ局面で資産価格が上昇し“やすい傾向がある”一方、必ずしも運用成績の改善を保証するものではありません。運用成績が芳しくなければ、受け取れる年金額が少なくなるおそれがあることに注意しなければなりません。

個人年金保険の主なメリット

個人年金保険に加入することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、主なメリットを3つ解説します。

  • 計画的に老後資金の準備ができる
  • 個人年金保険料控除の対象となる
  • 健康状態を問わず加入できるものが多い

計画的に老後資金の準備ができる

個人年金保険のメリットの1つ目は、計画的に老後資金が準備できることです。原則として、65歳になると公的年金が受給できるようになります(繰上げまたは繰下げにより、受給開始年齢の変更は可能です)。

しかし、受け取れる公的年金の額はそれまでの加入状況や保険料の納付状況などにより異なり、公的年金だけでは老後の生活に不安が残る場合もあるでしょう。そのような際、個人年金保険に加入することで、公的年金のほかに定期的な収入が得られ、老後の生活費を補完することが可能となります。

個人年金保険料控除の対象となる

個人年金保険のメリットの2つ目は、保険料が個人年金保険料控除の対象となり、所得税などの軽減につながることです。

納税者が所定の要件を満たす個人年金保険料を支払った場合、個人年金保険料控除の対象となります。保険料を支払う時期は収入を得ていることが多く、所得税がかかっていることが多いでしょう。一定の個人年金保険料を支払うことで、所得税の軽減につながります。

ただし、すべての個人年金保険料が生命保険料控除の対象となるわけではなく、「保険料等は、年金の支払を受けるまでに10年以上の期間にわたって、定期に支払う契約であること」など所定の要件を満たさなければなりません。また、年末調整または確定申告で、控除の適用を受ける旨の申請が必要です。

参照元:No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等(国税庁)

健康状態を問わず加入できるものが多い

個人年金保険のメリットの3つ目は、健康状態の告知が不要な商品が多いことです。

個人年金保険には、加入にあたって健康状態の告知や医師による診査は不要なものが多く、既往歴がある方や健康状態に不安がある方でも申し込みやすいといえます。これは、個人年金保険には医療保障や死亡保障などは付帯していないことが一般的であるためです。

ただし、申し込もうとする個人年金保険によっては告知や診査が必要となる場合もあります。そのため、個人年金保険に申し込もうとする際は、告知の要否などを事前にご確認ください。

個人年金保険の主な留意点

個人年金保険の加入には、留意点もあります。これらの留意点も理解したうえで、個人年金保険に加入するか否かを検討すべきでしょう。ここでは、個人年金保険の主な留意点を解説します。

  • 途中で解約すると元本割れする可能性がある
  • インフレリスクに対応できない可能性がある
  • 受け取る年金が課税対象となる

途中で解約すると元本割れする可能性がある

個人年金保険を途中で解約する場合、解約の時期によっては元本割れする可能性があります。元本割れとは、支払った保険料の総額と比較して、解約時に戻ってくる額が少なくなることを指します。

途中解約により元本割れしやすい理由は、保険料がそのまま年金支払いの原資となるのみならず、契約の締結や維持などに要する経費としても使用されるためです。そのため、特に短期で解約する場合は、解約返戻金がごく僅かとなる可能性もあります。

元本割れのリスクを避けるため、中途解約を前提とする個人年金保険への加入はお勧めできません。中途解約をしなくて済むよう、加入する前に加入するか否かを慎重に検討したうえで、保険料も家計に見合った額とすべきでしょう。

インフレリスクに対応できない可能性がある

先ほど解説したように、定額型の個人年金保険ではインフレリスクへの対応が困難です。契約によって定めた年金額が年間60万円である場合、たとえ急激なインフレに見舞われて物価が今の2倍、3倍になっていたとしても年金額は2倍や3倍にはならず、60万円のままであるということです。

このリスクに対応するためには、個人年金保険と併せて、iDeCoやNISA制度などを活用した資産運用をすることも検討すると良いでしょう。

受け取る年金が課税対象となる

個人年金保険の保険料が一定の要件を満たすことで生命保険料控除の対象となる一方で、個人年金を受け取る際はこれが課税の対象となります。

保険料の負担者と年金の受取人が同一である場合、原則として「公的年金等以外の雑所得」として所得税が課税されます。ただし、年金の全額が所得額になるのではなく、「その年中に支払を受けた年金額-その金額に対応する払込保険料または掛金の額」だけが所得となります。

一方で、保険料の負担者と年金の受取人が異なる場合は、給付事由発生時点で年金受給権の贈与税(相続による取得なら相続税)の対象となります。その後、実際に年金を受け取る際は自身が保険料を納めた場合と同様に、「その年中に支払を受けた年金額-その金額に対応する払込保険料または掛金の額」が雑所得として所得税の課税対象となることが原則です。

ただし、実際に確定申告をしようとする際は税務署や税理士などへの相談をお勧めします。

参照元:

個人年金保険への加入が向いている人

個人年金保険は、どのような人に向いているのでしょうか?ここでは、個人年金保険への加入が向いている人について解説します。

  • 将来に向けて計画的に資産形成をしたい人
  • 老後資金を準備しつつも生命保険証控除を活用したい人
  • 自分での資産運用や貯蓄に自信がない人
  • 老後資金に不安がある人

将来に向けて計画的に資産形成をしたい人

個人年金保険を活用することで、早いうちから計画的な資産形成が可能となります。そのため、将来へ向けて計画的に資産形成をしたいとお考えの方にとっては、個人年金保険への加入が有力な選択肢になります。

老後資金を準備しつつ生命保険料控除を活用したい人

先ほど解説したように、個人年金保険は所定の条件を満たせば個人年金保険料控除の対象となります。一方で、定期預金などで自主的に老後資金を積立てたとしても、そのような控除はありません。

そのため、個人年金保険料控除を活用しつつ老後資金を準備したいとお考えの方にとっては、個人年金保険への加入が有力な選択肢となります。ただし、この場合はiDeCoやNISAの活用も検討するとよいでしょう。後ほど解説するように、iDeCoやNISAにも一定の税制優遇措置が設けられているためです。

自分での資産運用や貯蓄に自信がない人

個人年金保険は、原則として自分で資産運用をする必要がありません。また、保険料を一括で払い込む場合を除き、月々の保険料は自動引き落としとすることが一般的です。

そのため、自分での資産運用や計画的な貯蓄に自信がない人にとって、個人年金保険は有力な選択肢となります。

老後資金に不安がある人

老後資金に不安がある人にとっては、個人年金保険は有力な選択肢の一つとなります。たとえば、自営業やフリーランスであった期間が長く、公的年金としては(厚生年金が受給できず)国民年金しか受給できない場合や、想定される厚生年金の額が不十分な場合などです。

個人年金保険への加入が向かない人

個人年金保険への加入は、すべての人に向いているわけではありません。ここでは、個人年金保険への加入があまり向かない人について解説します。

  • 保険料を支払う経済的な余裕がない人
  • 自分で資産を運用したい人
  • すでに十分な老後資金の用意がある人

保険料を支払う経済的な余裕がない人

現時点で家計にあまり余裕がない人は、個人年金保険への加入は慎重に検討すべきでしょう。家計に余裕がない状態で無理に個人年金保険に加入してしまうと、将来の家計を心配する前に、現在の家計が立ち行かなくなるおそれがあるためです。

また、先ほど解説したように、個人年金保険を途中で解約すると元本割れのリスクが生じます。そのため、資金が不足して近い将来解約する可能性がある場合には、今は個人年金保険に加入しないほうが良いかもしれません。

自分で資産を運用したい人

自分で資産運用をしたい人には、個人年金保険は適していないかもしれません。なぜなら、個人年金保険の運用は保険会社側が行い、自分では運用できないことが一般的であるためです。この場合は、個人年金保険よりもiDeCoやNISAの活用を優先すると良いでしょう。

すでに十分な老後資金の用意がある人

すでに十分な老後資金の用意がある人にとっては、個人年金保険の必要性は相対的に低いといえます。ただし、資産のみならず収入も多い場合、生命保険料控除を受けるために個人年金保険に加入することには一考の余地があるでしょう。

個人年金保険以外に将来の資金を用意する主な方法

将来の生活資金を用意する方法には、個人年金保険以外にどのような方法があるのでしょうか?ここでは、老後資金を用意する主な方法として、iDeCoとNISA、終身保険の3つを紹介します。

  • iDeCo(個人型確定拠出年金)
  • NISA(つみたて投資枠)
  • 終身保険

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、自分で拠出した一定の掛金を自分で運用し、資産形成をする年金制度です。原則として、掛金は一定の年齢まで拠出でき(加入可能年齢には職業などによる条件があります)、60歳以降に老齢給付金を受け取ることが可能となります。

iDeCoでは、掛け金の拠出時や給付金を受け取る際に、一定の税制優遇が受けられます。また、拠出先となる投資信託などの商品を一定の選択肢の中から自分で組み合わせて運用できるため、税制上の優遇を受けつつ、自分で資産運用をして老後資金を準備したい方などに適しています。

参照元:iDeCoの特徴|iDeCoってなに?|iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)

NISA(つみたて投資枠)

NISA(少額投資非課税制度)とは、NISA口座内で運用する株式や投資信託について、配当金や分配金、売却益にかかる税金が非課税となる制度です。

NISAには、上場株式や投資信託などにその都度投資をする「成長投資枠」と、長期の積立や分散投資に適しているとして金融庁の基準を満たした投資信託に定期的に積み立てて投資をする「つみたて投資枠」があります。

なかでも、つみたて投資枠は事前に設定した一定額を一定の投資信託に積み立てていくことができるため、将来へ向けた資産形成に活用できます。

参照元:NISAを知る(金融庁)

終身保険

終身保険とは、被保険者が死亡または高度障害状態になったときに保険金が支払われる生命保険のうち、保障が一生涯続くものです。

終身保険は本来、残された家族の生活を守るために加入するものです。しかし、終身保険は、遺族の生活保障を主目的としつつも、長生きをして生活資金が不足しそうになった際には解約して解約保険金を受け取り、活用することも検討できます。ただし、解約すると保障がなくなり、タイミングにより元本割れや課税が発生する場合もありますので、事前に確認した上で手続きしましょう。

個人年金保険に関するよくある質問

最後に、個人年金保険に関するよくある質問を紹介します。

個人年金保険とiDeCo・NISAは併用できる?

個人年金保険は、iDeCoやNISAとの併用が可能です。

ただし、これらをすべて併用しようとする場合、掛け金や積立金の額などによっては家計を圧迫しかねません。そのため、家計の状況から無理のない掛け金・積立金を設定すべきでしょう。

個人年金保険はいくらかければ良い?

個人年金保険の必要額は、老後に必要となる生活費の額や公的年金の額などによって異なります。そのため、まずはプロに相談をしたうえで、ご自分にとって必要な個人年金額を算定することから始めると良いでしょう。

まとめ

個人年金保険の概要を紹介するとともに、個人年金保険のメリットや留意点、個人年金保険への加入が向いている人・向かない人などについて解説しました。

個人年金保険は、個人が任意で加入する私的年金です。あらかじめ契約をして保険料を支払うことで、契約で定めた期間または生存している限り、一定額の年金が受け取れます。

個人年金保険に入るべきか否かは、状況によって異なります。たとえば、老後資金に不安がある人や自分での資産運用や貯蓄に自信がない人などは、個人年金保険への加入を積極的に検討すると良いでしょう。

一方で、自分で資産を運用したい人やすでに十分な老後資金の用意がある人にとっては、個人年金保険に入る必要性は薄いかもしれません。

ハレノヒハレは「未来すべて、ハレになれ。」をコンセプトとして、お客様一人ひとりの状況やご希望、ライフスタイルなどに合わせて保険の見直しや家計の見直しなどのサポートを行っています。個人年金保険に入るべきか、また保険料をいくらに設定するかなどでお悩みの際は、ハレノヒハレまでお気軽にご相談ください(ご相談したいことがございましたら「お問い合わせ」フォームからご入力をお願いいたします)。