4月7日、2026年度予算が可決・成立しました。

一般会計の総額は122兆3,092億円となり、2年連続で過去最大を更新しています。

予算の規模が膨らみ続けている背景には、社会構造の大きな変化があります。

歳出全体に占める社会保障関係費は39兆円と、全体の約32%を占めています。

これは医療、介護、年金といった国民生活に不可欠な支出であり、高齢化の進行に伴い毎年増加し続けているのです。

10年前の2016年度の予算と比較してみると、興味深い特徴が見えてきます。

2016年度の一般会計総額は96兆7,218億円でした。10年で約25兆円(26%)も増加したことになります。

しかし、この増加が均等に分配されたわけではありません。

文教及び科学振興費は約5兆3,580億円から6兆円へ、公共事業関係費は5兆9,737億円からほぼ横ばいの6兆1,000億円へと、ほとんど変わっていません。

一方で、社会保障関係費は31兆9,738億円から39兆559億円へと、約7兆円も増加しました。

同時に国債費も23兆6,121億円から31兆2,758億円へと、約7兆6,000億円も膨らんでいます。

社会保障費と国債費だけで、この10年間の予算増加の約6割を占めています。

10年前にはなかった予算項目も増えています。

こども家庭庁の設置(2023年度)に伴い、少子化対策関連予算は大幅に拡充されました。

2016年度の約3.7兆円から、2026年度は7.4兆円規模へとほぼ倍増しています。

児童手当の抜本的拡充、保育支援の充実、高等教育の修学支援など、「加速化プラン」として3.6兆円規模の投資も進められています。

しかし残念ながら、こうした予算拡充にもかかわらず、出生数の改善は見られていません。

むしろ、政府の予想を大きく下回るペースで少子化が進行しているのが現状です。

予算全体が膨張し、国債費も増え続ける中で、国の財政状況は厳しさを増しています。

社会保障制度を持続可能にするため、既に具体的な制度改革が動き始めています。

2026年度から、市販薬で対応可能な医薬品(解熱剤、鼻炎薬など約1,100品目)については患者が薬剤費の4分の1を自己負担する仕組みが導入されます。

高額療養費制度でも年間上限額が新設され、自己負担は増加傾向です。

また、2026年4月から年金制度も変わり、働きながら年金を受け取る場合の基準額が月50万円から月65万円に引き上げられました。

このような段階的な制度見直しにより、公的制度の給付が徐々に変わっていくことが想定されます。

親世代の介護費用、子供の教育費、自分たちの老後資金といった人生のさまざまなステージにおいて、公的制度だけに頼るのではなく、個人や家庭での備えがこれまで以上に重要になってきています。

医療保険、介護保険、生命保険の最適な組み合わせを検討し、自分たちのライフプランに合わせた準備を今から始めることが大切なのではないでしょうか。

【ご参考】

財務省「令和8年度予算のポイント」

厚生労働省「現在検討している医療保険制度改革についての考え方」