「親の家、どうする?」実家を相続する前に知っておきたいお金と手続きの話
「実家はいずれ自分が相続することになるけれど、その後どうすればいいのだろう」
そんな不安を抱えたまま、なんとなく先送りにしている方は少なくないのではないでしょうか。親が元気なうちは、実家の将来について具体的に話す機会はなかなかありません。しかし実際に相続が起きると、相続登記、固定資産税、家財の片付け、売却の判断、空き家の管理と、決めなければならないことが次々に出てきます。しかも、その多くには期限があります。
相続というと「相続税がいくらかかるか」に関心が集まりがちですが、多くのご家庭が実際に苦労されるのは、むしろ「その家を今後どうするのか」という部分です。今回は、相続税だけでは見えてこない、実家を相続する前に知っておきたいお金と手続きについて、できるだけかみくだいて解説します。
ハレノヒハレは「未来すべて、ハレになれ。」をコンセプトに、お客様の未来を「ハレ」にするために、個人、法人の皆さまの各種ご相談をお受けしています。実家の相続について相談したいという方はどうぞお気軽にハレノヒハレまでご相談ください。(ご相談したいことがございましたら「お問い合わせ」フォームからご入力をお願いいたします)
実家は「分けにくい財産」だと知っておく
親が亡くなったとき、預貯金や有価証券と同じように、親が所有していた土地や建物も相続財産になります。ただし不動産には、預貯金とはまったく違う厄介な特徴があります。それは「簡単には分けられない」ということです。
1,000万円の預貯金であれば、兄弟2人で500万円ずつと分けることは容易です。ところが1,000万円の価値がある実家を兄弟2人で相続する場合、建物を半分に切って受け取るわけにはいきません。そこで「誰が実家を取得するのか」「売却して現金にしてから分けるのか」「誰かがそのまま住み続けるのか」を、相続人全員で決めていく必要が出てきます。なお、法定相続分どおりに不動産そのものを細かく分けなければならないわけではありません。実家を長男が取得する代わりに預貯金は他の相続人が多く取得する、といった分け方も選べます。
また相続では、プラスの財産だけでなく借入金などの債務も引き継ぎます。実家について考えるときも「家だけ」を切り離して見るのではなく、預貯金、有価証券、借入金なども含めて、親がどのような財産を持っているのかを大まかに把握しておきましょう。財産の全体像が分からないままでは、実家をどうするかという判断もしようがないからです。
相続登記は3年以内。過去の相続にも期限があります
実家を相続したときに絶対に忘れてはいけないのが「相続登記」です。相続登記とは、法務局にある不動産の登記の名義を、亡くなった親から相続人へ変更する手続きをいいます。
2024年(令和6年)4月1日から、この相続登記が義務化されました。不動産を相続によって取得したことを知った日から3年以内に申請することが原則として必要になり、正当な理由がないのに怠った場合には、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。特に注意したいのは、この義務化が2024年4月1日より前に発生した相続にも及ぶという点です。過去の相続については、2027年(令和9年)3月31日までに申請することが必要とされています。「昔、祖父から父が相続したけれど名義はそのまま」というケースは珍しくありませんが、期限は着実に近づいています。
なお、遺産分割の話し合いがまとまらない場合には、「相続人申告登記」という簡易な手続きでひとまず義務を果たしたものとして扱われる仕組みも用意されています。実家の名義が現在誰になっているか分からないという方は、親が元気なうちに登記事項証明書を取って確認しておくと安心です。
出典:法務省「不動産を相続したらかならず相続登記!」
実家を相続するとどんなお金がかかる?
「親の家をもらえるのだから、単純に財産が増えるだけだろう」と考えてしまうかもしれません。しかし実際には、相続のときにも、その後所有している間にも、様々なお金がかかります。
相続税がかかる場合がある
まず前提として、相続が発生したからといって、すべての人に相続税がかかるわけではありません。相続税には基礎控除という非課税の枠があり、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。法定相続人が3人なら4,800万円となり、財産の合計額がこの金額までであれば相続税はかからないのが原則です。基礎控除を超える場合などには申告が必要となり、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に申告と納税を行います。
なお、不動産の相続税評価には細かなルールがあり、「不動産会社に聞いた売却価格がそのまま相続税評価額になる」わけではありません。土地は路線価などをもとに評価するのが原則で、一定の要件を満たせば評価額を大きく下げられる特例が使える場合もあります。個別の相続税については税理士などの専門家に確認しましょう。
出典:国税庁「No.4152 相続税の計算」
相続登記には登録免許税などの費用がかかる
実家の名義を相続人へ変更する相続登記では、原則として登録免許税がかかります。相続による所有権移転登記の場合、原則として固定資産税評価額に0.4%を乗じて計算しますので、評価額が2,000万円であれば単純計算で8万円となります。このほかに戸籍謄本など必要書類の取得費用がかかり、司法書士へ依頼する場合はその報酬も必要です。なお、価額100万円以下の土地については登録免許税の免税措置も設けられていますので、併せて確認しておくとよいでしょう。
出典:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」
持ち続けている間にかかるお金も見落とせない
実家を相続して所有者になれば、固定資産税の負担も引き継ぎます。誰も住んでいないから課税されない、ということはありません。地域によっては都市計画税もかかります。年間10万円の負担でも10年で100万円ですので、「いつか使うかもしれないから持っておこう」と考える場合でも、何年保有するつもりでその間にいくらかかるのかを一度計算してみることをおすすめします。
さらに家は、人が住んでいなくても管理が必要です。屋根や外壁の修繕、雨漏りへの対応、給排水設備の管理といった費用に加え、庭木の剪定や雑草の除去、害虫・害獣対策といった手間も発生し、実家が遠方にあれば交通費も積み重なります。ここで見落とされやすいのが火災保険です。人が住んでいる住宅と誰も住んでいない空き家とでは保険の取扱いが変わることがありますので、空き家になった段階で契約がそのまま継続できるのかを一度確認しておくと安心です。
そしてもうひとつ、家の中に残された家財の問題があります。親が数十年暮らした家には想像以上に多くの物が残っており、専門業者へ依頼すれば数十万円単位の費用がかかることも珍しくありません。売却するにも賃貸に出すにも、まず家財を片付けなければ前に進まないのが実情です。「建物の価値」だけでなく「家を空にするためのお金と時間」も見込んでおきましょう。
相続した実家をどうする?主な4つの選択肢
実家を相続した後の選択肢は、大きく「自分や家族が住む」「売却する」「賃貸に出す」「空き家として保有する」の4つに分けられます。どれが正解ということはなく、立地や建物の状態、家族構成、思い入れ、資金状況によって適した選択は一軒一軒異なります。
選択肢1 自分や家族が住む
立地がよく、今後自分や家族が住む予定があるなら、そのまま住み続ける選択があります。思い入れのある実家を手放さずに済みますが、築年数が経過している場合には、耐震補強、水回りの交換、屋根や外壁の修繕、断熱改修などで大きな費用がかかる可能性があります。「家があるから住宅費がかからない」と考えるのではなく、住み始めるまでにいくら必要かを見積もったうえで判断しましょう。
選択肢2 売却する
住む予定がなければ売却も有力な選択肢です。分けにくい財産を現金に変えられるため相続人が複数いる場合は遺産分割が進めやすくなり、その後の固定資産税や維持管理の負担からも解放されます。ただし希望する価格で必ず売れるとは限らず、仲介手数料などの費用もかかります。
選択肢3 賃貸に出す
条件がよければ、賃貸住宅として活用する方法もあります。不動産を保有したまま家賃収入を得られる点が魅力ですが、リフォーム費用、設備の修理、入居者募集の費用、管理会社への手数料、固定資産税などが継続的に発生し、入居者が見つからない期間は収入がないまま費用だけがかかり続けます。「家賃が月10万円だから年間120万円」と単純に考えるのではなく、必要経費と空室リスクを織り込んで判断する必要があります。
選択肢4 すぐに決めず空き家として保有する
親が亡くなった直後は「思い出のある家をすぐ売る気持ちになれない」と感じることもあるでしょう。結論を急がず一定期間そのまま保有するという選択も十分にあり得ます。ただし「今は決めない」ことと「何も考えず放置する」ことはまったく違います。「1年間は保有して、その間に家族で話し合う」「次の夏までに査定を依頼する」というように、期限とやることを決めたうえで保有するのが望ましいでしょう。
なお、売ることも使うこともできない土地を相続してしまった場合には、2023年(令和5年)4月から始まった「相続土地国庫帰属制度」という選択肢もあります。一定の要件を満たせば土地を国に引き取ってもらえる制度ですが、建物が建っている土地などは対象外で、審査手数料に加えて承認時には負担金の納付も必要です。
出典:法務省「相続土地国庫帰属制度について」
「とりあえず空き家にしておく」にもリスクがある
誰も住まない実家であっても、所有者には管理する責任があります。空き家を放置した場合に起こりうることを見ておきましょう。
建物は傷み、近隣トラブルにもつながる
人が暮らしている家では、日常的に窓を開け、水道を使い、異常があればすぐに気付けます。空き家になるとそうした管理がなくなり、湿気によるカビや木材の劣化、配管のトラブル、雨漏りなどが起きても発見が遅れます。「数年そのままにして将来使おう」と思っていても、その頃には大規模な修繕が必要になっていた、というのはよくある話です。
また、庭木が伸びて隣地へ越境したり、雑草が繁茂したり、害虫や害獣が発生したりすれば近隣に迷惑をかけますし、老朽化した屋根や外壁の一部が落下すれば通行人がけがをする危険もあります。人が住んでいないことが分かると、不法投棄や不法侵入、放火といった防犯上の問題にもつながりかねません。遠方で管理が難しい場合には、有料の空き家管理サービスを利用する方法もあります。
管理状態によっては固定資産税の負担が増える
住宅が建っている土地には固定資産税の「住宅用地特例」があり、住宅一戸あたり200平方メートル以下の部分は課税標準が6分の1に、それを超える部分は3分の1に軽減されます。これが「建物を残しておいたほうが固定資産税は安い」といわれる理由です。
しかし、空き家であればどのような状態でも特例を受け続けられるわけではありません。適切に管理されず「特定空家等」や「管理不全空家等」に該当すると判断され、市区町村から勧告を受けた場合には、その敷地が特例の対象から外れることがあります。「建物さえ残しておけば固定資産税はずっと安い」と単純に考えることはできないのです。
出典:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律について」
時間が経つほど売却も片付けも難しくなる
長期間放置すれば建物は老朽化し、売却時に修繕や解体が必要になることがあります。解体には数百万円かかることもあり、売却代金の多くが解体費用で消えてしまうことも起こり得ます。さらに時間が経てば相続した子ども自身が高齢になり、その子どもが亡くなれば実家は次の世代へ相続されて、相続人が増え権利関係はますます複雑になります。「今すぐ困っていないから」という理由だけで先送りし続けることには、こうしたリスクがあります。
相続した実家を売却すると、どんな税金がかかる?
「3,000万円で売れたら3,000万円に税金がかかるのだろうか」と心配になる方もいるかもしれません。結論からいえば、売却代金そのものに税金がかかるわけではありません。
利益が出た部分だけが課税の対象になる
土地や建物を売却したときの譲渡所得は、基本的に「譲渡価額-取得費-譲渡費用」で計算します。取得費とはその不動産を買ったときの金額、譲渡費用とは仲介手数料など売却のためにかかった費用です。相続した不動産については、原則として亡くなった親などが取得したときの取得費と取得時期をそのまま引き継ぎますので、親が長く所有していた実家であれば、税率の低い長期譲渡所得として扱われるのが一般的です。
問題は、取得費が分からないケースです。「父が40年以上前に購入したので契約書が見つからない」ということは珍しくありません。その場合は売却金額の5%相当額を取得費とすることができますが、3,000万円で売却したなら取得費は150万円として計算されます。実際にはもっと高く購入していたとしても、証明できなければそれまでです。取得費が小さくなればその分だけ譲渡所得が大きくなり、税負担も重くなります。昔の売買契約書や住宅ローンの資料が残っていないか、親が元気なうちに一緒に探しておきましょう。この一手間が数十万円、数百万円の差になることもあります。
出典:国税庁「No.3258 取得費が分からないとき」
空き家を売ったときの特別控除が使える場合もある
一定の要件を満たす相続した空き家を売却した場合には、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」を利用できる可能性があります。譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除できる大きな特例で、2026年8月現在、2027年(令和9年)12月31日までの譲渡が対象とされています。ただし2024年(令和6年)1月1日以後の譲渡については、相続人が3人以上の場合、控除額は一人あたり最高2,000万円に引き下げられています。
要件も細かく定められています。昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、区分所有建物でないこと、相続開始の直前に被相続人が一人で住んでいたこと、相続後に賃貸などに使っていないこと、売却代金が1億円以下であること、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却することなどを、すべて満たす必要があります。
特に見落とされやすいのが、建物の状態に関する要件です。家屋付きで売却する場合は現行の耐震基準に適合していることが必要で、それが難しい場合は家屋を取り壊して土地として売却することになります。「古い家をそのままの状態で売ればよい」という制度ではない点にご注意ください。なお2024年(令和6年)1月1日以後の譲渡については、売買契約にもとづいて買主が譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに耐震改修または取壊しを行った場合も対象に加えられました。
「相続した実家を売れば必ず3,000万円控除される」という制度ではありませんので、売却を検討する際は早めに税理士などへ確認しましょう。
出典:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
兄弟姉妹で実家を相続するときに注意したいこと
実家の相続で最も難しくなりやすいのが、兄弟姉妹など複数の相続人がいるケースです。親が元気なときは仲の良い兄弟姉妹でも、いざ相続となると「実家は残したい」「早く売却したい」「自分は実家をもらわないから現金が欲しい」と考えが食い違うことがあります。どの意見にもそれぞれの事情があるだけに、話し合いが平行線になりやすいのです。
「とりあえず共有名義」は慎重に考える
「決められないから、とりあえず兄弟で半分ずつの共有にしよう」という方法は、その場では公平に見えますし、結論を先送りできるので選ばれやすい方法でもあります。しかし共有名義の不動産は、将来売却したり大きな修繕をしたりする際に他の共有者との調整が必要になり、一人でも反対すれば話が進まないということもあり得ます。
さらに厄介なのは、その後それぞれに相続が発生すると、共有者が甥や姪、その子どもへと広がっていくことです。世代が下るほど関係は薄くなり、連絡を取ること自体が難しくなります。共有にもメリットはありますが、将来の管理や処分まで見据えて判断することが大切です。
実家しか大きな財産がないと分け方が難しくなる
特に難しいのが、実家が3,000万円相当で預貯金は300万円というように、財産の大部分を不動産が占めているケースです。長男が実家を相続し、次男にも公平に財産を渡したいと考えても、分けるための現金が足りません。
こうしたときには、実家を取得した相続人が他の相続人に金銭を支払う「代償分割」を検討することになりますが、そのためには実家を取得する人にまとまった資金が必要です。それが難しければ、結局は実家を売却するしかないという結論に至ることもあります。相続対策というと「相続税をいかに減らすか」に注目が集まりがちですが、実際には「財産をどう分けるのか」「そのための現金をどう用意するのか」のほうが、はるかに切実な問題になることが多いのです。
相続では「すぐに使える現金」が意外と必要になる
実家を相続した直後には、各種手続きの費用、相続税が発生する場合の納税資金、家財の片付け費用、建物の修繕費、売却するまでの維持管理費や固定資産税など、さまざまな出費が集中します。相続税は原則として現金で一括納付しますので、不動産の割合が大きいご家庭ほど納税資金の準備が課題になります。
そこで考えておきたいのが、実家以外の財産の役割です。預貯金はもちろん、生命保険も相続時の資金準備の手段として活用されることがあります。死亡保険金はあらかじめ受取人が指定されているため、遺産分割の結果を待たずにまとまったお金を受け取れる可能性があり、納税資金や代償金の原資として役立つことがあるからです。また、被相続人が保険料を負担していた生命保険契約の死亡保険金を相続人が受け取る場合には、一定の要件のもとで「500万円×法定相続人の数」という相続税の非課税限度額が設けられています。
ただし生命保険は、契約者(保険料負担者)・被保険者・受取人の関係によって、かかる税金の種類が相続税・所得税・贈与税と変わります。同じ保険金額でも契約の形が違えば手取り額が変わるということです。「保険に入れば相続税が安くなる」と単純にとらえず、家族構成や財産の状況、契約形態まで確認したうえで検討することが重要です。
出典:国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
親が元気なうちに確認しておきたいこと
実家の相続で最も大切なのは、相続が起きてから慌てて考えるのではなく、親が元気なうちから少しずつ準備しておくことです。すべてを一度に決める必要はありません。まずは次の項目を確認してみてください。
- 土地・建物の現在の名義を確認したか(建物は父名義、土地は祖父名義ということもあります)
- 過去の相続で登記が済んでいない不動産がないか
- 実家の購入時の売買契約書などが残っているか
- 住宅ローンやその他の借入れが残っていないか
- 親は将来、実家をどうしたいと考えているか
- 兄弟姉妹で実家について話したことがあるか
- 預貯金・生命保険など実家以外の財産を大まかに把握しているか
- 相続した場合の固定資産税や維持費を把握しているか
とはいえ、相続という言葉を出すと「まだ元気なのに縁起でもない」と感じる方も多いでしょう。だからこそ「相続税の話をしよう」ではなく、「この家、将来どうしようか」というところから始めてみてはいかがでしょうか。お盆や年末年始に実家へ帰ったとき、「この家も古くなってきたね」「土地の名義ってお父さんになっているの?」といった家そのものの会話であれば、比較的切り出しやすいはずです。そこから自然に「銀行はどこを使っている?」「保険はどうなっている?」「お墓や仏壇はどうする?」といった話にもつながっていきます。これは財産を当てにするための話ではなく、親が困ったときに家族がすぐ支えられるようにするため、そして将来残された家族が困らないようにするための、前向きな準備です。
まとめ|実家の相続は「そのとき考えればいい」ではなく元気なうちから
実家は、多くの家族にとって思い出の詰まった大切な場所です。その一方で相続財産という視点で見ると、預貯金とは違って「簡単には分けられない」「所有しているだけでもお金がかかる」「管理しなければ建物が傷んでいく」という、扱いの難しい財産でもあります。相続が起きてから「誰も住まないとは思っていなかった」「こんなに維持費がかかるとは知らなかった」と気付いても、すぐには解決できません。しかも相続登記には3年以内、相続税の申告には10か月以内という期限があり、空き家を売却したときの特例にも適用期限があります。時間の余裕は、思っているほどありません。
だからこそ、親が元気なうちに「この家を将来どうする?」と話しておくことが大切です。そして実家だけを見るのではなく、預貯金、生命保険、その他の不動産、借入金なども含めて、家族の財産全体を見渡してみましょう。相続対策とは、相続税を減らすことだけを指す言葉ではありません。大切な財産をどう引き継ぐのか、家族が困らないためにどのようなお金を準備しておくのか、そして親自身がどのような将来を望んでいるのか。それを家族で考え、共有しておくことこそが、いちばん確かな相続への備えといえるのではないでしょうか。
ハレノヒハレは「未来すべて、ハレになれ。」をコンセプトに、ファイナンシャル・プランナーとして、お客様の未来を「ハレ」にするために、個人、法人の皆さまの各種ご相談をお受けしています。実家の相続について相談したいという方、「何から考えればいいのか分からない」という段階でも構いません。どうぞお気軽にハレノヒハレまでご相談ください。(ご相談したいことがございましたら「お問い合わせ」フォームからご入力をお願いいたします)
※本記事は2026年8月時点の制度・税制等をもとに一般的な情報をまとめたものです。実際の相続、登記、税務、不動産の売却等については個別の状況によって取扱いが異なります。必要に応じて税理士、司法書士、弁護士等の専門家へご相談ください。
【主な参考資料・出典】
