介護費用平均495万円――帰省時にできる備えとは
この時期、帰省を予定している方も多いと思います。
ご両親や祖父母に会う貴重な時間を、親世代の健康状態を確認する機会にしてみてはいかがでしょうか。
顔を見て話をすることで、親の「今」の健康を把握することができます。
平均寿命と健康寿命のギャップ
日本人の平均寿命は男性81.09年、女性87.13年で、世界トップレベルです。
しかし一方で、健康上の問題なく日常生活を送れる「健康寿命」は、男性72.57年、女性75.45年となっており、平均寿命との差は男性で約8.5年、女性で約11.6年あります。
つまり、この期間は、健康上の何らかの問題を抱えながら生活する人が増え、医療や介護などの支援が必要になる場合があります。
介護期間の長期化と経済的負担
介護は長期化するほど経済的な準備が重要になります。
生命保険文化センターの2024年度調査によると、介護に要した費用は一時的な費用(住宅改造や介護用ベッド購入など)が平均47.2万円、月々の費用が平均9.0万円(在宅介護:5.3万円、施設介護:13.8万円)となっています。
介護期間の平均は55.0カ月(4年7カ月)であり、約4割の人が4年を超える長期の介護を経験しています。
月額9.0万円で計算しても、平均で約495万円の費用がかかることになります。
このように介護は経済的な負担が大きいのはもちろんですが、いつまで続くかわからないという精神的な負担も非常に大きいと言えます。
このような長期にわたる介護の経済的・時間的負担を少しでも軽減するためには、親の健康状態を早期に把握し、フレイル(虚弱)の兆候を見逃さないことが重要です。
介護が必要な状態に陥る前に、予防的な対策を講じることで、健康寿命を延ばし、介護期間を短縮することができます。
帰省時に親の健康状態を客観的に確認するために、公益財団法人長寿科学振興財団や各自治体が提供している無料のフレイルチェックシートの活用をお勧めします。
公益財団法人長寿科学振興財団のホームページに掲載されているチェックシートでは、
「友人宅を訪ねているか?」
といった社会とのつながりの確認、
「階段を手すりなしに昇れるか?」
「床に落ちた物を中腰で拾えるか?」
といった身体機能の確認など、25項目にわたって確認し、該当回答数によって現在の生活機能状態を教えてくれます。
厚生労働省や各自治体のホームページでも同様のシートを無料でダウンロードできます。
このようなチェックシートを帰省時に親と一緒に活用することで、現在の健康状態を客観的に把握でき、必要に応じて医師に相談したり、介護予防教室へ参加するなど、次のステップへつなげることができます。
